介護予防施設ご利用者様の運動機能解析・記録を自動化
スタッフの負担を軽減しつつ、業界に評価基準を広める

CLIENT

早稲田エルダリーヘルス事業団

Category
業種
介護関連
業務概要
デイサービス事業者
導入用途
Medical / Healthcare 医療・ヘルスケア
メンバー
伯東 デバイス事業統括部 技術・ソリューション部 ソリューションビジネスグループ
課長代理 井上佳洋 / Inoue Yoshihiro
早稲田エルダリーヘルス事業団 AYUMI EYE事業部
部長 勝山正次 / Katsuyama Seiji
センサーの調達先を探す必要に駆られた

Customer issues センサーの調達先を探す必要に駆られた

デイサービス施設を通じ、介護予防を目的とした運動の場とプログラムを高齢者に提供している早稲田エルダリーヘルス事業団。運営施設では、利用者の運動機能を評価するため、スタッフが定期的に歩行速度や歩幅などを計測している。
「この点に着目した外資系の医療機器メーカーが、歩行解析デバイスの共同開発の話を持ち掛けてくれました。最先端の電子機器開発ノウハウを有する先方と、実測データを豊富に集められる私たちの強みを持ち寄れば、優れたデバイスを開発できるというわけです」(早稲田エルダリーヘルス事業団 AYUMI EYE事業部長・勝山氏)
2社は約1年間の開発期間を経て、2015年2月に「AYUMI EYE」を完成させる。腰に小さなデバイスを装着して利用者に歩いてもらい、採取したデータを専用アプリで分かりやすく表示するというものだ。かつては施設のスタッフがストップウォッチと記録用紙を携え、利用者1人につき20~30分かけてデータを計測・記録していたが、このデバイスの登場で所要時間は大幅に短縮。もちろんスタッフの負担軽減にもつながった。
「このデバイスを活用したサービスが軌道にのりかけた矢先に、パートナーだった医療機器メーカーが撤退することになってしまいました。我々はパートナーから事業を買い取ることにしましたが、デバイスに内蔵するセンサーだけは門外不出でした。我々には電子機器業界にパイプがないにも関わらず、独自でセンサーを調達する必要が生じたのです」(前出・勝山氏)

初代機の再現にとどまらず、新たなラインナップも誕生

Challenge solution 初代機の再現にとどまらず、新たなラインナップも誕生

医療機器メーカーの担当者にアドバイスを仰いだ勝山氏は、伯東を紹介された。勝山氏から相談を受けた伯東では、代替となるセンサーを選び出した。
「ただし、単に代用品をご紹介するだけではご要望にお応えしたことになりません。元のセンサーとは特性が異なるため、計測結果が変わってしまうのです。試作品を使いながら幾度もデータを取り、元のセンサーとの誤差を修正していきました。」(伯東 デバイス事業統括部 技術・ソリューション部 ソリューションビジネスグループ・井上)
試行錯誤の繰り返しを経て、初代機と同じ性能・品質を再現した二代目AYUMI EYEが誕生。早稲田エルダリーエルス事業団は、新事業としてデバイスの外部販売も開始した。すると、AYUMI EYEは理学療法士の目に留まる。医療現場でも活用したいので、医療機器として製品化してほしいというリクエストが寄せられたのだ。
「医療機器の認証を受けるには、専門の許認可を受けた工場で製造する必要があります。さっそく伯東さんに相談し、条件に見合った協力工場での生産体制を整えていただきました。こうして、医療従事者が求める詳細なデータを表示できるAYUMI EYE medicalも新たなランナップとして加え、事業領域を拡張できたのです」(前出・勝山氏)

フロー図

フロー図
フロー図
互いに未知の領域に踏み込み、新たな道を切り拓く

After introduction 互いに未知の領域に踏み込み、新たな道を切り拓く

早稲田エルダリーヘルス事業団は、AYUMI EYEによるサービス展開を軸に業界内での優位性を高め、さらには外部販売を通じ、業界内での運動機能評価基準のスタンダード化を実現させつつある。しかし両社は、すでに先を見据えている。
「ソフトも含め、電子機器の進化のスピードはとても速いと実感しています。せっかく伯東さんとの良好な協力関係を構築できたので、今後は動画とAIを組み合わせた運動機能評価など、新たなジャンルにも切り込んでいきたいですね」(前出・勝山氏)
「介護業界のお客様とのビジネスは初でしたから、現場でさまざまなニーズがあることを捕捉できました。より有益なご提案につなげられると思っています。また、お客様から求められた部品をご紹介してお届けするのが従来の私たちのビジネスモデルでしたが、今回の件では、協力工場での生産体制も整え、最終形の商品としてお届けしています。早稲田エルダリーヘルス事業団様とのやり取りを通じ、私たちも新たな領域を切り拓けたわけです。そういう意味でも、既成概念に縛られず、Win-Winのご関係を進化させたいですね」(前出・井上)

CASE STUDYお客様導入事例